第139回の日商簿記2級の問題で、「200%定率法」という用語が出てきていました。 以前、このブログでも解説しました(簿記検定、おつかれさまでした~日商簿記2級の総評~)が、定額法の償却率を2倍した償却率のことをいいます。

・・・ん? 定額法の償却率ってなに?

・・・って思った方もおられると思います。

定額法の償却率というのは、単純に「1÷耐用年数」のこと。
たとえば、耐用年数が8年であれば、
定額法の償却率:1÷8年=0.125
となります。

ちなみに、定額法による減価償却費(1年分)は、
減価償却費:(取得原価-残存価額)÷耐用年数
で計算しますよね?

これって、
減価償却費:(取得原価-残存価額)×1/耐用年数
と同じことですよね・・・

で、「1/耐用年数」というのは、「1÷耐用年数」なのだから、いいかえると
減価償却費:(取得原価-残存価額)×定額法の償却率
ということになるのです。

文字だとわかりづらいので、数字にあてはめてみましょう。

例:取得原価320,000円の備品(耐用年数は8年)について、残存価額をゼロとして定額法によって減価償却を行った場合、当期(1年間)の減価償却費はいくらか?







普通の、簿記的なやり方(「÷耐用年数」)だと、こうなります↓
減価償却費:320,000円÷8年=40,000円

そして、税法的?なやり方(「×定額法の償却率」)だと、こうなります↓
定額法の償却率:1÷8年=0.125
減価償却費:320,000円×0.125=40,000円

どちらも同じ金額になります。

ちなみに、試験で万一、税法的?なやり方(「×定額法の償却率」)で出題されるとすると、耐用年数の指示はなく、「定額法の償却率は0.125である」という指示のみつくと思われます。
(日商簿記2級で出題されるかどうかわかりませんが、日商簿記1級では昔、出題されたような気がします・・・)

そして、上記の設定で、「定額法に代えて200%定率法で減価償却を行う」という場合、定率法の償却率は、こうなります↓
定率法の償却率:0.125×2(倍)=0.25

したがって、定率法で減価償却をした場合、減価償却費は…↓
減価償却費:320,000円×0.25=80,000円

…となります。

第139回日商簿記2級では、「定額法に代えて200%定率法(償却率25%)で…」というように、「200%定率法」といいながらも、「償却率25%」とカッコ書きしてくれていたので、『「200%定率法」ってよくわからないけど、「償却率25%」で解けばいいんじゃね?』と思った方は解けたと思います。

ここのところ、実務的な考え方も取り入れているようなので、「定額法の償却率」と「200%定率法」の意味を軽くおさえておいてもいいのかな、と思います。

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